業種 販売業等
負債総額 1400万円
債権者数 69社
ポイント 未回収の売掛金の回収・代表者も破産手続きを行った

相談に来た経緯

ウエディングドレス

相談者はウエディングドレスの製作・販売業を行う会社の代表者です。

海外から輸入したウエディングの販売を主たる事業として行っており、業績は4,500万円ほどと順調でしたが、事業拡大のため、銀行から2,500万円の融資を受け、土地・建物を購入したうえ、自社でのウエディングドレスのデザイン・製作を開始しました。

しかし、長年勤務していたデザイナーの独立で顧客が減少してしまったこと、東京に本社を置く大手会社が福岡に支店を出し、競合他社が急激に増加したこと等の事情から売上が激減しました。

リスケを行いながら新事業にも取り組みましたが、借入を返済することができなくなり、人件費も払えない状況となったため、会社の破産手続について相談したいということでご来所いただきました。

当事務所の対応

法人については売上回復の見込みもなく、資産もなかったことから、破産手続をとることとしました。

破産手続にかかる費用については、未回収の売掛金を弁護士が回収して費用に充てました

従業員への未払い給与が発生していたこと、個人の取引先が多くトラブルも発生していたことから、早急に破産申立を行いました。

このように、相談時点で会社に現預金がない場合でも回収見込みの高い売掛金がある場合などでは、ご依頼いただく時点で費用を全額ご準備いただくことが難しくても破産手続を進めることができます。

破産申立

イメージ

代表者及び関係者からご協力いただき、債権調査や資産の調査が終了した後、裁判所へ申立を行いました。

申立までに4回ほどの打ち合わせを経て、受任から約2ヶ月で申立を行いました。

債権者集会・その後

集会

申立から約2ヶ月後に債権者集会が開かれました。

債権者集会とは、債権者の意思を手続きの遂行に反映させるために開かれる破産債権者の集会のことです。

具体的には、破産者の財産状況について破産管財人が調査した結果を報告し、破産手続きの進行について債権者の意見を聴取します。

今回は、ウエディングドレスの製作・販売業ということもあり、個人の顧客が債権者になっていました。

想定はしていましたが、特に第1回目の債権者集会には債権者となった個人の顧客が多く出席し、紛糾する場面もありましたが、管財人・裁判所の協力もあり、無事に集会を終えることができました。

今回の事例では、計3回の集会を経て、申立後約1年で破産手続は終了しました。

弁護士より

弁護士向井

個人の顧客が取引先に多かったため、申立前・申立後を問わず債権者対応には大変苦慮いたしました。

既に費用を入金済みであるにもかかわらず、ウエディングドレスの製作を続けることができなくなってしまった顧客の方々には、同業者を紹介する等してなんとかご納得いただくことができました。

受任後に予定していた売掛金の回収についてはほぼ予定通り進めることができ、費用も準備することができました。

法人の破産手続は早め早めの行動が非常に重要です。

法人破産・再生をご検討されている方は是非一度ご相談ください。

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