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経営者が破産した場合の生活はどうなる?仕事は?

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はじめに:倒産や法人破産を検討する経営者が知っておくべきポイント

「倒産」「法人破産」という言葉を聞くと、会社も個人も“すべて”を失ってしまうようなイメージをお持ちではないでしょうか?

会社の経営が思うようにいかず、資金繰りが厳しい状態が続くと、「倒産=人生の終わり」と感じる経営者の方も少なくありません。

思い詰めた結果、資金繰りに窮して自殺という事態は、ドラマの中だけの話ではなく現実に起きうることです。

倒産は決して再起できないものではない

しかしながら、倒産や法人破産は決して人生の終焉ではありません。

たとえ法人破産を行っても、再度の起業や再就職、日常生活の再スタートは十分に可能です。

むしろ無理な資金繰りで状況を悪化させるよりも、早期に弁護士など専門家へ相談し、適切な債務整理手続きを行うことが、生活や周囲への影響を最小限に抑えるうえで非常に大切なのです。

本記事では、中小企業経営者・経理担当の方向けに、会社が倒産した際の代表者の債務処理や破産後の生活、資格制限、家族への影響などをやさしく解説します。

もし今の段階で「破産をするかどうか」を検討しているのであれば、本記事の内容を参考に、ぜひ専門家への相談をご検討いただければ幸いです。

倒産すると経営者の債務はどうなる?

法人破産と代表者個人の関係

まず、「法人破産」とは会社(法人)が裁判所に破産手続きの申立てを行い、裁判所の監督のもとで会社の財産を整理・換価(お金に換える)して債権者に配当する手続きをいいます。

一方で、会社代表者の「個人の債務(借金)」については、会社が破産をしても自動的に消滅するわけではありません。

多くの場合、経営者は、金融機関の融資などにおいて連帯保証人になっているため、会社だけが破産しても代表者個人には借金が残り続けることが一般的です。

法人と個人の双方での破産手続きが基本

会社の返済がストップすると、代表者に対して個人保証をとっている債権者(銀行等)は、代表者個人に返済請求を行います。

そのため、多くの事例では、法人破産と同時に、代表者個人も自己破産(個人破産)を申し立てる形をとります。

法人・個人の両方を同時に破産し、「免責(めんせき)」と呼ばれる裁判所の許可を得ることで、会社の借金と代表者個人の借金の返済義務を免れることができるのです。

弁護士の指導のもと、適切に破産申立手続きを行えば、多くの場合は「免責」を得て、借金をなくして再スタートを切ることができます。

弁護士へ相談するメリット

破産手続きには裁判所や破産管財人とのやり取り、財産目録の作成、債権者への連絡など、大量の書類作成や複雑な手続きが伴います。

弁護士に依頼すれば、進め方のアドバイスや書類の準備をサポートしてもらえるうえ、債権者からの取り立てを即座にストップさせることも期待できます。

また、破産申立前にするべき手続きやしてはいけない行為のアドバイス、破産手続後の再建に向けたアドバイスなども受けることができます。

荻野哲也弁護士

経営が行き詰まり、先行きに不安がある場合は、できるだけ早期の段階で相談することをおすすめします。

破産後の生活はどう変わる? 代表者の財産や日常への影響は?

破産管財人の役割と財産処分

破産手続は、会社や代表者の財産を管理・処分して、残った財産を債権者に平等に分配することを目的とします。

会社や代表者が破産手続きを開始すると、裁判所が選任した「破産管財人(はさんかんざいにん)」という弁護士が、会社の財産や個人の財産を管理・換価します。

不動産や価値のある車、預貯金、保険の解約返戻金など、財産価値のあるものは債権者への配当に回されるため、基本的に手元には残りません。

ただし、「自由財産(じゆうざいさん)」といって、生活必需品や99万円以下の現金、破産手続開始後に新たに得た収入などは処分対象から外れるのが原則です。

したがって、日常生活に必要な家財道具は手元に残る場合が多いです。

「官報」に名前が載る?

破産開始決定や免責決定などの情報は「官報(かんぽう)」という国の公的な機関紙に掲載されます。

「氏名や住所が知られるのでは?」と心配になる方もいらっしゃるかもしれませんが、一般の方が官報を日常的にチェックする機会は極めて少ないため、ほとんどの場合、近隣や知人に破産が広がるリスクは高くありません。

ただし、取引先や金融機関などが官報を確認すれば判明する可能性はゼロではありません。

これによりプライバシーを完全に守ることはできませんが、実務上、大きな問題になることはほとんどありません。

破産後に再就職や起業は可能? 弁護士が伝える資格制限と再起のポイント

再就職の可否(資格制限)

破産後の再就職も可能

「破産すると仕事ができなくなるのでは?」と不安を抱える方も多いでしょう。結論としては、ほとんどの仕事は続けられますし、新しい会社へ再就職も可能です。

むしろ、代表者が破産する場合、会社の事業活動で収入を得ることはできなくなるため、再就職をして生活費を得る必要があります。

全く別の企業に再就職することが多いですが、会社経営時に懇意にしていた取引先に雇用してもらったり、会社経営時の能力を評価されて再就職する例もあります。

ただし、破産すると一時的に制限される職種・資格があります。

たとえば弁護士、司法書士、税理士、宅地建物取引士、保険外交員、警備員などは、破産手続き中は資格が一時的に停止されます。

もっとも、免責決定が下りて手続きが終了すれば制限は解除されるため、一生涯働けなくなるわけではありません。資格を要しない職種であれば、破産中であっても就職や転職を行うことは可能です。

再起は可能なのか?

破産によって借金が整理されることで、経済的再スタートを切ることができます。

再起にあたっては、以下の点に注意が必要です。

      1. 金融機関の融資ハードル:破産歴があると、信用情報機関に一定期間「事故情報(いわゆるブラックリスト)」として登録されます。新たに融資を受ける際に不利になるケースがありますが、時間の経過とともにその情報は消去されます(おおむね5〜10年ほど)。
      2. 再起業のタイミング:破産手続きが続く期間中の新会社設立や役員就任には注意が必要です。事前に弁護士や専門家へ確認しながら進めるのが望ましいでしょう。

ただし、融資は受けづらくなるものの、破産手続きが終わった後は、会社設立や役員就任の制限はありません。

このように、一時的な制約はあるものの、きちんと手続きを踏めば再度の起業や事業再生は十分に可能です。最初から「もう無理だ」と諦める必要はありません。

家族や親族への影響は? 法人破産と周囲への迷惑を最小限にする方法

保証人になっていない家族には原則影響なし

家族には原則影響なし

経営者の方が最も気にされるのは「家族の暮らしにどれほど影響が及ぶのか」という点ではないでしょうか。

基本的に、会社や代表者個人の破産手続きは「申立てを行った本人」と「連帯保証人になっている人」に影響が及ぶものです。

したがって、家族や親族が連帯保証人になっていなければ、その方々の財産が処分されることはありません。

戸籍や住民票に破産情報が載ることもありませんので、日常生活が制限されることはほぼないと考えてよいでしょう。

連帯保証人・共同名義の場合は注意が必要

ただし、家族が借金の連帯保証人となっている場合は、代表者(主債務者)が破産すると、保証人へ返済請求が行われることになります。

また、会社名義・個人名義が混在する不動産(自宅など)が共同名義になっている場合は、財産処分に巻き込まれる可能性もあるため、注意が必要です。

万が一、配偶者などご家族が保証人になっている場合は、早めに専門家へ相談し、家族ごと状況を整理することが望ましいでしょう。

家族の心理的負担を軽減するために

会社の破産は、経営者本人だけでなく、家族にとっても大きな不安要素となります。

突然、自宅や家計の問題に直面し、将来の暮らしに悲観的になるケースも少なくありません。

また、債権者の中には、会社や自宅に押しかける債権者もおり、家族に負担がかかる場合もあります。

その場合でも、弁護士が対応策をアドバイスすることができます。

また、多くの債権者は時間が経てば、強引な取り立てを諦めることが多いです。

一人で悩みすぎることなく、早めにご相談いただければと思います。

破産手続き中の制限

破産手続き中は、次のような制限がかかります。

  • 郵便物の転送:破産者宛ての郵便物は、破産管財人が内容を確認できるよう転送・管理されます。これは財産隠しを防ぎ、正確な状況を把握するために必要な措置です。
  • 転居・旅行の制限:事前に破産管財人や裁判所の許可を得なければ、遠方への引越しや長期の旅行を行えません。
  • 職業・資格の制限:破産の手続き中、一部の国家資格や業務に就けない場合があります。

これらの制限は一時的なもので、破産手続きが終わり(免責が確定)すれば解除されます。

まとめ:早めに弁護士へ相談して、安心できる破産後の生活を目指す

ここまで、経営者が会社を倒産・法人破産した場合に起こりうる生活の変化や仕事への影響、家族への波及などを解説しました。

  • 会社が倒産しても、個人の債務は消えないケースが多いため、代表者個人も自己破産を同時に検討する必要がある
  • 破産手続きを行えば、原則として借金返済義務は免除される
  • 家族が連帯保証人でない限り、家族の財産が影響を受けることは原則としてない
  • 再就職や起業は十分に可能。
  • 早めの相談がカギ。弁護士へ依頼することで債権者の取り立てをストップさせ、スムーズに再スタートしやすくなる
  • 破産手続き中は一時的な制限(郵便物の転送、転居制限、資格制限など)があるものの、手続き終了後にこれらは解除される

資金繰りが厳しい段階であっても、債務整理の手続きを先延ばしにしていると、借金や支払いの遅延がかさみ、取り返しのつかない状態へ突入してしまう恐れがあります。

倒産が視野に入ったら、まずは弁護士などの専門家に相談し、最善の解決策を一緒に探ることを強くおすすめいたします。

「破産」は、あくまでも再出発のための制度です。

経営が行き詰まっていると感じた段階であれば、なおさら時間をかけずにアクションを起こすことが重要です。

私たち法律事務所でも、法人破産や個人破産について実務的なサポートを行っております。

ぜひお気軽にご相談ください。

破産後の生活を安心して送れるよう、一緒にベストな道を切り開いていきましょう。

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