民事再生
民事再生は、民事再生法に基づいて進められる倒産処理手続きであり、破産などという清算型の倒産手続きとは異なり、その名のとおり、再生型の手続きです。
つまり、破産手続がすべての資産を換価して、債権者に分配する手続きであるのに比べて、民事再生は再生計画に基づき、債権者へ一部返済を続けながら、事業を継続しながら会社再建を目指す手続きになります。
民事再生手続きの特徴は以下のとおりです。
再生計画について債権者の一定の同意が必要であること
再生手続は再生計画を策定して、その計画に基づいて事業を継続しながら負債を返済していくことになりますが、その再生計画は、債権者集会に出席した債権者の過半数、かつ債権額の2分の1以上の同意が必要です。
メインバンクなどが同意しない場合などには再生手続は困難な場合が多いでしょう。
DIP手続きであること
破産手続きにおいては、破産者の財産の管理処分権は全て破産管財人に専属しますが、民事再生手続では、経営者が再生手続開始後も、企業の経営を行っていくのが原則です。
これをDIP(Debtor In Possession)手続といいます。
裁判所から監督委員が選任されますが、これもあくまで後見的な立場にとどまり、再生会社が主体的な手続きです。
担保権者の行使
民事再生手続きにおいても、原則として抵当権等の担保権実行は制約されません。
しかし、再生計画に必要不可欠な不動産などの物件に担保がついているような場合には、例外的に担保権の実行を中止したり、担保権を消滅したりする手続きがあります。
中小企業においては民事再生手続きを選択するのに大きな壁がありますが、会社の再建を目指す場合には、当然、民事再生手続を一つの候補として考えなければなりません。