特別清算手続きとは
破産手続によく似た手続きとして特別清算手続きというものがあります。
まず清算とは、株式会社が解散する場合に開始される手続で、会社の業務を終了し、債権を取り立て、債権者に対し債務を弁済し、株主に対し債務を弁済し、株主に対し残余財産を分配する手続きです(会社法841条)。
そして、その清算の中でも、株式会社が債務超過の場合には通常の清算より厳格な手続きで、また裁判所の監督の下で行われる手続きを特別清算といいます。
特別清算と破産手続きの違い
特別清算と破産手続きの大きな違いは
- 清算人(申立代理人弁護士)により手続きの遂行する
- 否認制度がない
- 債権確定手続がない
- 協定によらないで、担保権者、少額債権者等に対する適宜弁済が可能
- 清算方法は債権者の多数決による協定によって決定する
といった点で、破産手続と比べ柔軟な対応ができます。
しかし、手続き開始条件の一つとして、「債権者の一般の利益に反することが明らかであるとき」と定められるなど、否認行為がなされた後に破産手続きで否認されることを回避するために特別清算を申し立てるなどはできません。
特別清算手続が有効な場面
また、上記⑤にもあるように、清算方法は債権者の多数決による協定によって決定する点からも、特別清算手続が有効なのは、
- 債権者が少数
- 株主が少数
- 大口債権者が協力的
- 債権につき争いがない
- 財産が散逸しない
といった場面です。
また、予納金額も破産手続きに比べ格段に安くなるのも特別清算を利用する一つのメリットといえます。