破産のメリットとデメリット
破産のメリット
会社の債務が免除され、取り立てから解放される。
会社が自己破産することにより、借金や買掛金等の会社の全ての債務は免除されます。
ちなみに勘違いされている方も多いですが、会社の税金についてもすべて免除されます(代表者個人の税金は免除されません(破産法253条1項1号))。
会社には免責制度、つまり債務を免除するかどうかを判断する制度がないため、免責不許可(債務を免除しない)という判断がないためです。
破産手続をしなければ、時効にかからない限り、債権者から請求を受け続けることになり、破産手続きをすることで、法的に債務から解放されるということが、破産のメリットの大きな点です。
また、これに加え経営者も自己破産もしくは個人再生をすることで生活を立て直して再出発をすることができます。
債権者側のメリット
なお、以上は債務者のメリットですが、債権者からしても、法的に担保された公平な配当、清算が受けられることや、貸倒処理(損金処理)をすることで税務上のメリットがあります。
破産のデメリット
会社の消滅
破産をするということは会社を消滅させてしまうことなので、当然、会社は消滅してしまい、会社の財産も全て清算され、代表者の地位も失われます。
会社の再建が困難になること
中小企業においては、代表者が会社の債務を連帯保証している場合が多く、その場合には代表者も破産手続きをする必要があります。
自己破産をしたとしても、基本的には、法律上新たな事業をすることについて制約を受けません(破産者が資格制限の対象となる職業もあります)。
しかし、自己破産することにより、金融機関等からの借り入れが困難になることによって、事実上新たな事業をすることが難しくなるといえます。
従業員の解雇
会社が消滅する以上、基本的に従業員は全員解雇することになります。
ただ、破産手続きをすることにより未払賃金立替払制度を利用できるなど、最悪の状況の中でも破産手続を進めることで最低限の補償をすることができます。(詳しくは、従業員への対応をご覧ください。)